女性にとって酒さによる赤ら顔は深刻な悩み。しかし、決定的な治療手段が無く、深刻さは増すばかりです。ここでは多くの方から頂いた酒さについての声を掲載します。ご参考になれば幸いです。

酒さによる赤ら顔の治し方 〜 体験者たちからの寄稿集

酒さ

酒さの原因(誘因)を知って悪化を防ぎましょう。

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酒さという病気は皮膚科にかかる病気としては比較的少ない病気です。多くの場合には接触皮膚炎やアレルギー性皮膚炎として診断されても、症状が顔だけに限定される場合には酒さの可能性があります。

【酒さの発現率】

日本人の酒さのほとんどはステロイド剤の長期使用による副作用として発生します。酒さの発症頻度や疫学は調査が行われていないので、よく分かっていません。皮膚科学会でのガイドラインで酒さに関して記述があるのは尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう:にきびのことです)ガイドライン2016の一部に記載があるだけです。(2017年6月参照) しかし、白人では頻度が10%程度はステロイドとは関係ない酒さが発現しています。そのため、国際酒さ協会(National Rosacea Society (NRS))が米国で組織されています。米国では1600万人の患者がいるといわれています。

【酒さの要因】

酒さはいきなり酒さになるのではなく、顔面が赤くなり、その後毛細血管が拡張したりしてその赤さが抜けず、ぶつぶつができ、酒さが進行していくといわれています。 NRSが行った1066人の酒さの患者を対象にした要因は下記の通りです。(複数の要因があるので、合計は100%になりません。) 日焼け(81%)、感情的ストレス(79%)、気温が高い(75%)、風に当たった(57%)、激しい運動(56%)、飲酒(52%)、温泉につかる(51%)、寒波(46%)香辛料がきいた食事(45%)、湿度が高い(44%)、室内温度が高い(41%)、ある種のスキンケア製品(41%)、温かい飲み物(36%)、化粧品(27%)、医薬品(15%)、他の病気に伴う症状(15%)、ある種の果物(13%)、マリネした肉(10%)、ある種の野菜(9%)、乳製品(8%)、その他(24%) 非常に多彩な要因があります。 顔が赤くなって、チクチクするのは日焼けだけでも経験します。上記の要因は酒さ前駆期ともよびます。その後、顔面に毛細血管が広がってできる紅斑紅斑(こうはん:赤い斑点、指で押さえると色が消えます)や浮腫(ふしゅ:水ぶくれのように顔の一部分が腫れ上がることです)ができる血管期から炎症期(大人ニキビに代表されるブツブツがでる)、進行期(頬や鼻に瘤ができる)と酒さは進行していきます。 酒さの進行を防ぐには前駆期の段階で要因を取り除くことが一番大事だといわれています。日焼けが長引く、他の要因で日焼けのようになる場合には皮膚科に行くことをおすすめします。

【酒さの原因】

酒さの原因はまだ確定したものはありません。酒さの患者さんごとに異なるとまでいわれていますが、大きくは前駆期から血管期に行く理由はいくつかの仮説がたっています。しかし、その仮説に基づいた薬剤が使用されているわけではなく、対症療法としての薬剤や進行期の頬や鼻の瘤は形成外科のお医者さんによって取り除くことによります。 有力な原因(仮説)をいくつか上げておきます。

紫外線による肌の炎症

マウスの実験では紫外線が血管新生(毛細血管の先からさらに血管が延びる、ある細胞が血管を新しく作って増殖する)を起こすことによる肌の炎症が原因とするとカリフォルニア大学の研究で明らかになっています。 血管新生を抑える薬に関してはがんの治療薬の一つとして日本でも発売されていますが、酒さに応用するには価格が高すぎます。

ニキビダニによる皮膚の炎症

ニキビダニは皮膚常在菌(正常の皮膚にも存在している)の一種です。2つのニキビダニが特定されています。酒さ皮膚炎の患者さんではこのニキビダニの数が多いことが分かっています。しかし、これは皮膚の細菌叢が酒さ皮膚炎によって乱されて、結果としてニキビダニが増えたのか、ニキビダニが増えたために皮膚の細菌叢が乱れて、炎症を起こしたのかはまだ明確にはなっていません。 ただ、酒さ患者の敏感肌を治療すると(保湿や保湿性のクリーム)ニキビダニが減ることが判明していますが、これも直接の原因を明らかにしている訳ではありません。

皮膚細菌叢(ひふさいきんそう)のみだれ

皮膚(特に皮脂の部分)には皮膚細菌叢が存在しています。この皮膚細菌叢がバリアとして働いて人の皮膚を守っています。この皮膚細菌叢で悪玉菌(表皮ぶどう球菌)が炎症反応を起こしているという説です。腸内細菌叢も関連しているというグループもいます。

ヘリコバクター・ピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリ菌は顔の赤みを誘発する消化ホルモンであるガストリンを互生する細菌であることから捉えられた説です。白人ではヘリコバクター・ピロリ菌の保有率と酒さ皮膚炎患者の有病率に似通っているという研究もありますが 日本人ではヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌の原因になることから積極的に除菌することが必要である事から、ヘリコバクター・ピロリの除菌は保険適応されています。しかし、日本人のヘリコバクター・ピロリ感染の多さと酒さの少なさを考えると、関係はあまりなさそうです。

免疫学的なみだれ

酒さの原因は真菌やある種の細菌の感染症と考えられた時代もありました。しかし現代ではその真菌や細菌に対する免疫の働きが狂っている可能性が亭主されています。 免疫機構は複雑ですので、いろいろな研究があります。防御反応である免疫の多くは炎症によって外敵を殺します。その死がいが白血球によって処理されて、ウミになって放出されるというのが定説ですが、この過程にはいろいろな物質が関与しており、現在も研究が進んでいるところです。

【まとめ】

酒さは日本人では非常に少なく、酒さの原因に関して患者に役立つような研究はほとんどありません。 しかし、酒さには前駆症状を発生させる要因というものがあり、それを避けることによって酒さの皮膚症状を抑えることができる可能性があります。 今のところは顔の日焼けは極力避けることが一番かもしれません。なお、紫外線を避けるために全身を隠している人がいます。特に閉経後の女性の方は一日5分でいいので手のひらに日光を当てましょう。そうすることによってビタミンDが体の中で合成されます。

【参考資料】

NRSの以下のホームページを参考にしました。

Know Your Rosacea Triggers  (2017年6月22日参照)

Rosacea Review (2017年6月22日参照)

 

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